アークテリクスのマンティス26のレビューです。
アークテリクスのバックパックといえばアローが有名ですが、ここ数年メキメキと人気が出てきているのがマンティスです。
マンティスには26Lと32Lがあります。そのうちでも日常使いしやすい26Lが特に人気なようで、街中でもマンティス26をよく見かけるようになりました。
女性にも人気があるようで、女性がマンティス26を背負っているのもたまに見かけます。
私もマンティスは前から気になっていたので、1泊2日のお出かけの際に使用する目的で憧れのマンティス26を購入してみました。
・・・ところが・・・
なんと、あれだけリサーチして「良しこれだ!」と思ったにもかかわらず、マンティス26は私には合いませんでした。・・・残念・・・
というわけで、今回はマンティス26のレビューというのではなく、むしろ「マンティス26を返品した理由」という珍しい記事です。
マンティス26は人気があるのですでに多くの方がマンティス26のレビュー記事をアップしており、なおかつデメリットを1つ2つ載せてはいるものの基本的にはべた褒めしております。
私としては逆に「マンティスを手放した理由」記事を読みたくて探しまくったのですが、結局見つかりませんでした。
なにこれ、「マンティス26買ったけどダメだった」ていう人いないの?と思いました。
価格も高いし、もし手放した人がいるならその理由が知りたいですよね。
そういうわけで、私がマンティス26を手放した理由をここで大公開しちゃいますよ。
【アークテリクス】マンティス26を返品した理由
この記事を見ている人はおそらく既にマンティス26を購入しようかどうか悩んでいる人だろうけど、念のため仕様を載せておきます。
マンティスの仕様
セオリー的には仕様は理想通り。
容量:26L
重さ:865g
寸法:高さ51cm、 幅29cm、 奥行25cm
素材:420d HD ナイロン平織り
PC収納:メイン荷室に収納可能
ドキュメント収納:A4収納可能
自立:不可
ストラップ:チェストストラップ、ウエストストラップ(脱着可能?)
とりあえず、まずはさっと簡単にレビューしてみますが、ここではまだ返品に至ったデメリット点には言及していません。多少、イマイチな点をあげてはいますが、まだ許せる点ばかりです。
まぁ、外見だけですけど、こんなものでしょうかね。
構造は
- メイン荷室
- トップのアドミポケット
- フロント左右にある互い違いのポケット大小2つ
- サイドの両ポケット2つ
です。
内側については以下の「ここがNOT GOOD」章で紹介していきます。
ここがNOT GOOD
トップのアドミポケットの蓋がベローンとしている
まずは、トップにあるアドミポケットですね。よくオーガナイザーポケットとか言われています。
これがね、一般的には使いやすく便利と言われているポケットなんですけれども。
確かに、ポジション的にはとてもいいんです。
アドミポケットというのはシャーペンやICカード、ハンドローションといった細々としたものを収納するためのポケットで、これらはバッグの上部にないと使いにくいんですね。
たとえば椅子に座っていて床にバッグを置いている状態でペンを取ろうとしたとき、このアドミポケットがバッグの底部の方に位置していると、余計に手を伸ばす必要がでてきます。
あるいは病院の会計などで立っている時にメモを取ろうとしたとき、バッグを左手で持って右手でペンを取ろうとしますよね。その時、ポケットが下の方にあると左手で持っているバッグをもっと上にあげないといけません。
まぁ、細かい取りまわし点なのですが、実際に使うとお判りになると思います。(こういう細かい点はババアにならないと分からないんだよ!)
で、このようにマンティス26のアドミポケットのポジションは良いとしてですね。
何がいけないって、このファスナーを開けたときのこのべローン具合です。
まぁ全開している状態ではあるのですが、なにこのべローン具合は・・・とギョッとしました。
これではポケットの中のスリットに入れないと、中の荷物がこぼれ落ちてしまいます。
他の方のレビュー記事で、このアドミポケットには「財布や携帯なんかを入れるといいです」みたいなことが結構書かれていましたが、私から言わせるととんでもない。
こんなところにいれたらボロンと落ちてしまいそうだし、何より重さバランス的に硬貨の入った重めの財布を入れるのは絶対無理。
男性の二つ折り財布、ワレットと呼ばれるものでも…どうかなぁ…無理ではないでしょうが、ポケットを全開しないようにちょっと気を遣うのではないかな。
トップのアドミ荷室のスリットポケットがよく考えられていない
アドミポケット内のスリットポケットも頂けません。
左のスリットポケットはカードサイズより結構大きめで、その隣に3本のペンサイズポケット、そして一番右にそれより大きいポケットがあります。
なんなの、このバランスが悪いサイジングは・・・
まず左のポケットは、カードより大きいのでICカードを入れても飛び出しそうな不安があります。もう少し小さくても良かったのでは…と思いました。
それからペン3本分のポケット。私はペンを3本も持ち歩かないこともあってペンホルダー3つは多すぎると思いました。1本か、多くても2本で良いのではないでしょうか。
それから右のポケット。これは何を入れるべきか悩みますよね。
おそらくミリタリーや登山などで使うフラッシュライトを想定しているのかなと思いますが、右のカーブに干渉しているため出し入れしにくい。
多分、マンティスユーザーもこのスリットポケット類は使わずにそのまま・・・という人が多いのではないでしょうか。
なんてったってアークテリクスですし価格もそれなりなので、もう少し考えられたスリットポケットを期待しました。たとえばファスナー付きメッシュポケットを付けるとか。
裏地が安っぽい
表面の生地は良いものを使っているなーと感じたのですが、裏地の生地が薄くて安っぽいです。
前述のアドミポケットがベローンとしてしまうのも、後述のメイン荷室がベローンとしてしまうのも、裏地の薄~い素材が原因のひとつではないかと思うのです。
PC収納部なんてゴムが入っているだけで頼りなく、ここにPCをそのまま入れる人はおそらくいないだろうな、と。
軽量化のためといえばそれまでなのでしょうが…
便利なはずのフロントの互い違いの大小ポケットだが・・・
マンティス26の最大の特徴といえば、フロントの大小のポケットです。
この2つのポケットは互い違いになっていて、それぞれ分離しています。
背負った時に体の左にくるポケットが大きめで、右にくるポケットが小さめになっています。
大ポケットが下(体に近い方)、小ポケットが上(体から離れた方)になっています。
これが便利と評判なマンティスではございますが・・・
私にはこのポケットがデメリットとなってしまいました。
正確にいうと、使いあぐねてしまったということです。
私が持ち運ぶ荷物自体が少ないせいもあるのかもしれません。
でも、この大ポケットが大きすぎて何を入れたらいいのか分かりませんでした。
というのもポケットが大きすぎる故にメイン荷室に入れたら良いのかこの大ポケットがに入れたら良いのか考えあぐねてしまうのです。
横にスイングして使うことが多いので縦ポケットあるいはメイン荷室の底まで開くジッパーは必須なのですが、このマンティスは両方兼ね備えています。
開きやすい大ポケットによく使うものを入れるとなると、まぁ財布を入れようかなと思いますよね(安全的なことは置いておくとして)。
すると財布と一緒に出し入れすることが多いメディカルケースを入れたくなります。
何故かというと、メディカルケースの中に入っている保険証・診療カードを財布と一緒に使うことが多いからです。
病院から返してもらった保険証や診療カードを戻しながら財布を開いて会計してお釣りをもらって~という一連の作業をするにあたって、同じ荷室にないと2つファスナーを夫々開閉しなければいけませんよね。
さらに、財布と一緒にエコバッグも数枚入れておきたくなります。サイドポケットに入れてもいいのですが、マンティス26のサイドポケットは結構硬くて取り出しにくいんです。(ボトルホルダーを想定しているのでボトルが落下しないように硬めにできているのだと思われます。)
そうすると・・・財布、メディカルポーチ、エコバッグをすべて大ポケットに入れることになります。
となると、メイン荷室の意義って何だっけ・・・?
ということになってしまったわけです。
さらに困ったことに、大ポケットの内部にはスリットポケットやジッパー付ポケットなどが一切ありません。ひとつのがらんとした空洞になっています。
これでは細々とした荷物の整理はできません。(縦ポケット内に細かいポケットを採り入れたEvergoodsのCPL V2が理想だけど、重量が重すぎるので断念)
別々のポケットを開くとなると、買い物の支払い時にレジで面倒臭い奴になってしまいます。
ではメイン荷室に財布、メディカルケース、薬ポーチという母的「3つの神器」を入れよう・・・となると、大ポケットに何入れようか。・・・タオル・・・あとスマホ?
でもスマホはトップポケットの方がいいか・・・いや待てよ、小ポケットに入れればいいか・・・あーどこに何を入れたか分からなくなる。
というように使いあぐねることになった次第です。
まぁ、荷物が多い人は使いこなせるのかもしれませんね。
大ポケットのなかにスリットポケット、ジッパー付きポケットがあったらねー。
大ポケットがポケットの範囲を超えてメイン荷室ナンバー2みたいになってしまってるからね。
ポケットに荷物が入っているとメイン荷室が勢いよく開いてしまう
で、フロントに荷物を入れてみてメイン荷室を開いてみたところ、こんな風にフロント部分が勢いよく全開してしまいました。
う~ん・・・これは危険・・・!!
たとえばトイレのドアフックに引っ掛けてメイン荷室から何かを取り出そうとしたとき、フロントの3つのポケット(トップポケット、大ポケット、小ポケット)に荷物が入っていると、ジッパーが勢いよく滑り降りて画像のような状態になります。
まぁ、荷物を入れれば他のバックパックでも下がってしまうでしょうが、アークテリクスはジッパーが大変スムーズなんです。だから一度下がり始めるとすごい勢いで下がります。
アークテリクスのフリースもノンストップ・ジッパーと謳いつつも全然ノンストップじゃなくて、胸元にあったジッパーがサーッとスムーズにウエストまで下がってしまうんですよねぇ。
アメリカのHPにも「全然ノンストップじゃない」という感想がいくつかありました。
一般的にはジッパーがスムーズに可動することは良いことなんですけどね。
ちなみに後述のGoruckのようなミリタリー系・タクティカル系のバックパックですと、ジッパーはスムーズながらも勝手に下りない程度の抵抗があります。
背負い心地があまり良くなかった・・・
多分これはレアなケースだと思いますが、背負い心地があまり良いと感じなかったんです。
フレームのせいなのかなぁ…
マンティスには結構ハードなフレームが背中に入っています。通常はフレームが入っている方が背負い心地は良くなるはずなのですが、フレームが合わないという人もいます。
フレームを取り外して再チャレンジはしませんでした。というのも、もともと素材が柔らかくフニャフニャと形状が変わるソフトバッグより形状をキープしやすいハードバッグの方が好みなので、ソフトバッグであるマンティスからフレームを外したら、余計形状キープしにくくなって更にダメ出しすることになるだろうと分かっていたからです。
次にストラップを見てみましょう。
マンティスのストラップは肉厚でフカフカと好評なので、私至上No.1の背負い心地であるGoruckのストラップと比べてみました。
肉厚度はほとんど変わりませんが、画像では分からないくらい僅かにGoruckの方が厚いくらいです。
Goruckのストラップは途中で留められているのが分かりますでしょうか。Goruckのストラップは指で押してもあまり凹みません。
アークテリクスのストラップは片面がメッシュになっていてフカフカです。指で押すと沈む感じで凹みます。ふわふわとスポンジのような感触です。
次に横から押してみました。
アークテリクスのストラップは肉厚ではありますが横方向に押すとクシャッと潰れます。
ふわふわとソフトなので、長期間使用した際にどうなるか気になる点です。
同じ力でGoruckのストラップを横方向に握ってみました。
まったく潰れません・・・
ストラップの素材の密度が全然違うことがお分かりになるかと思います。
まぁ、Goruckのストラップと比べるのも酷かもしれません。
マンティスは確かに一瞬背負った時はフカフカしていて背負い心地が良いと感じるのかもしれませんが、実際にどちらも背負った経験からするとマンティスの背負い心地に感心しなかったというのが正直なところです。
まとめ
というわけで、アークテリクス マンティス26を返品した理由でした。
あと、上のリストに載せるまではいきませんが、今回のモデルチェンジでジッパープル(ジッパーを掴むところ)が変更されています。個人的な好みに依るところが大きいですが、私は旧バージョンのバンジーコードタイプの方が引きやすくて好きでした。
べた褒めされているマンティスでしたが、私のように合わなかった人もいるということで、マンティス26の購入を検討している人も敢えてデメリット(マンティスを諦めた人はどこがネックだったのかということ)を知ることで「これは許せるから購入しよう」「これは私には逆に合う」と購入時の判断材料になればと思います。